「沖縄パイン」というネーミングにそそられた瞬間を分析する(上田逸平)
公開日:
:
最終更新日:2016/07/26
ブランドの体験
※7月8日送信のメルマガの転載です。
--------------------------------
先日、大阪市内を歩いていた時のこと。
ふと目に入ったのが、マクドナルドの店頭に飾ってあった
マックシェイク「沖縄パイン:期間限定」のポスター
アポまで、ちょっと時間があったので、イートインすることにしました。
特に、なにか飲みたいというニーズがその時あったわけではありません。
ポスターを見て、突然、私の心の中にニーズが発生したのです。
食べた経験がないけど、なんとなく心の中に何かを
感じる「沖縄パイン」というネーミングにそそられて。
ここで、私が、マックシェイクの購入に至った流れを、振り返りながら
ブランド想起の体系と合わせて、簡単にまとめてみます。
人間は、直接、経験したことがなくても世間に流れている情報と
関連付けて、商品やサービスについての自分なりのイメージを形成していきます。
たとえば、スポーツカーの「フェラーリ」
名前は、知っていても、実際に乗車したり、車体に触れた人は少ないのでは
ないでしょうか?
しかし、あるセミナーで、
「フェラーリ」からどんな色を連想しますか?」と質問したところ
約80%の人が「赤」と回答しました。
フェラーリは、乗車していなくても「赤」というイメージが浸透していると
いうことですね。
では、「沖縄パイン」から、何をイメージして、購入に至ったのか自分の心を
振り返ってみます。
・マックシェイク
→ ストロベリー等、他の味は知っている
・パイン
→ 甘酸っぱい味は知っている
・沖縄
→ 沖縄には学生の時、2回行っただけである。思い出すキーワードは
「真っ青な海」「パイナップル畑」「開放的」「バカンス」「リゾート」
「夏休み」・・・・・・
では、沖縄パインシェイクに対して想起するブランドイメージ
・沖縄パインシェイク
→ そういう品種があるのか、あるいは、ただの沖縄産のパインなのかは
知らないですが、おそらく沖縄の、あの灼熱の太陽の光を吸収した、
濃厚な味のような気がする。
昔行った、懐かしい沖縄のイメージが注入された
シェイクなら一度味わて見る価値があるかも。
このように、自分の経験と関連付けて(この場合、
沖縄への旅行で体験したこと)と一緒に商品をイメージするのです。
あなたの、商品、サービスのブランドを創る時、ターゲットとするお客様が、
経験したどんなイメージと一緒に思い出してもらいたいかを考えてみては如何
でしょうか?
そのイメージを表す、一つのツールがネーミングということです。
最後に、この沖縄パインのマックシェイクの話には、落ちがありました。
並んで、やっと自分の順番がきたというのに、何と販売終了でした。
「ポスター外しておけよ」って言いたいところでした。
もちろん、言ってませんが・・・・
私の心の中の、マ○ド○ル○のブランドイメージは、さらに失墜しました。
(あくまで個人的感情です)
関連記事
-
「警備員とお巡りさんを間違えてドキッとする瞬間」とブランドを考える
※7月16日送信のメルマガの転載です。 「警備員とお巡りさんを間違えてドキッとする瞬間」とブラ
- PREV
- ブランド作りは価値づくり(上田逸平)
- NEXT
- 選挙の投票から、ブランドづくりを考える(上田逸平)